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火, 01 9月 2015 00:00
第4回 大日堂に伝わる江戸時代の合体ロボ!?
押山の文化財を紹介します (o^∇^o)ノ
(第4回 大日堂に伝わる江戸時代の合体ロボ!?)
今回は十一面観音です。
≪ こんなお姿です ≫
頭の毛は長髪で、てっぺんには小さな仏様の顔があります。
もともとこの顔は11面あったはずですが、取れて無くなってしまったようです。 (ノ_・。)
ともあれ、この頭部が十一面観音であることは間違いありません。
十一面観音は昔から人気者(仏?)でしたので、ここにおられても当然なのですが・・・・
≪ ところが!!! ≫
頭部は十一面観音なのですが、胴体はどうもほかの仏像のものらしいのです。 (ノ゚⊿゚)ノ
実は、仏像には大きく分けて如来・菩薩(十一面観音はこのグループ)・明王・天部の4グループがあり、服装についてもそれぞれ決まりがあります。
では問題の胴体部分について本来の姿を確認しましょう。下の参考画像をごらんください。
左が十一面観音(菩薩グループ)の例で、ハカマやタスキをまとい、
ネックレスのようなアクセサリーも身に着けておられます。
それに比べ右の薬師如来(如来グループ)はペラペラの布1枚をまとっただけでアクセサリーもありません。
実はこれこそが菩薩・如来それぞれの標準的な姿です。
以上のことをふまえて、大日堂の十一面観音をもう一度ふりかえって見ると、
頭部 は 菩薩の姿
胴体 は 如来の姿
であるとわかります。 なんだこりゃ? w(゚o゚)w
≪ なぜ、こんなのができた (゚ペ)? ≫
推定① 胴体が壊れた十一面観音と、頭部が壊れた如来像(阿弥陀如来か薬師如来など)を
テキトーに組み合わせてリニューアルした。
推定② 十一面観音が欲しかったが予算が足りなかった。そこで、頭部だけをつくり、
今まであった如来像の首を取ってすげ替えた。
冗談ではなく、昔はこんなことが多々あったとのこと。
「まっ、いいか ・・・/(・。・) 」 という先祖の声が聞こえてくるような気がします。
≪ この十一面観音はいつごろのお生まれ? ≫
頭部については江戸時代と思われます。
なんだかコケシ人形みたいに見えますが、実は、江戸時代は仏像がお人形みたいになっていった時代です。
これは注文した人たちの好みの反映でしょうが、結果として鎌倉時代以前のものに比べて品位が下がり感動も薄くなったように思えます。
とはいえ押山の先祖が、どんな相談をしながらこの合体ロボならぬ合体観音をつくりだしたのかは、
なかなか興味あるところです。
(投稿 Mさん ありがとうございます)
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