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                           【 大日堂の仏像調査  ②聖観音菩薩 】
2月15日(水)に実施した、大日堂の仏像調査の続編です。
これは、自治区等の公的行事ではなく、私Mの個人的な調査ですので、区長のところ質問・クレーム・贈りものなどをよこさないようにお願いします。
ではY先生、始めましょう。
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今回はこの像です。膝から頭頂までが約20㎝と小ぶりです。
以前から古そうだねという話はしていましたが、今回、頭部と胴は鎌倉時代後半と結論しました。
光背(背中の後ろの後光)は江戸時代初期かもう少し前、膝や台座も江戸時代初期の可能性が高いとのことです。
これらは、壊れたところを後の時代に補修(後補という)したものですが、仏像の世界では当たり前におこなわれています。
ただし、問題は補修のレベル。
江戸時代の仏像は衰退の一途をたどりますが、幸いこの台座などは結構気合が入った優れたものです。
像のレベルが高いので、負けないようにガンバったか?
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実は以前から疑問がありまして、それは、古そうな像であるにもかかわらず、金泥(金色に塗る絵具)が全然剥がれていないということです。
なんだかアヤシイ・・・
ところが今回、実は江戸時代に塗り直ていることがわかりました。
しかも顔の見栄えを損ねないようにするなど、大変丁寧でいい仕事をしているそうです。
なるほどね。余談ながらこの目は玉眼(水晶などが入っている)でした。
チビ助なのに手が込んでいます。
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さて、ではこの仏さまの正体は誰でしょう?
特定する重要ポイントは手の恰好(印相=いんぞう)ですが、残念ながらポキリと折れています。
しかしよく見ると左手が握られていたことがわかります。
ひょっとすると右の画像のように、蓮の蕾を持っていたのでは?
だとすると、聖観音菩薩す。
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 あるいは、こういう恰好(智拳印といいます)だったかも。
そうであれば大日如来です。
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結局、今回は宝冠の様子から聖観音菩薩としました。
私はこの宝冠は全く気にしておらず、どうせ江戸時代にテキトーなものを被せたんだろうとたかをくくっていました。
ところが今回の調査では、明らかに江戸時代より古く、鎌倉後期まで遡る可能性があることがわかりました。
最初から仏像とセットだったんですね。
しかも大変レベルが高く、冠だけでも貴重な文化財だそうです。
(ただし、左右にぶら下がっている部分は江戸時代だそうです)
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ここでご愛敬をひとつ。
宝冠は表面に細かい彫刻がされていますが、この画像で左右の対称的な形の部分には彫刻がありません。なぜか?
実は、過去に外れたことがあったらしく、直した人が表裏逆に取りつけてしまったようなのです。
なお、この形は鳳凰(ほうおう=霊鳥で一万円札にも載っている)です。
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さて、とりあえず全体を通じての結論だけを簡単にまとめますと、以下のようになります。
①仏像の頭部と胴体・宝冠は鎌倉時代後半の優れたものである。
②それ以外の台座や光背は、江戸時代初期かもう少し前と推定される。
③江戸時代に金泥を塗り直している。
④上の②③とも高いレベルの仕事をしており、全体として不自然さは感じない。
このように、なかなかの仏さまなのですが、問題は『ねえ、どっから来たの』なの
です。
私は、江戸末期に廃寺になった玉蓊院の本尊と考えていたのですが、Y氏は
本尊としては違和感があるとのことで、『念持仏』だったのではないか?とのこと
でした。念持仏というのは、個人が身辺に置いたりして拝む仏像です。
でも、鎌倉時代に有力な武士などが念持仏としてつくらせ・・・まではいいのです
がその後どうなったのか、なぜ江戸時代初期にハイレベルの補修がおこなわれた
のか?など疑問は尽きません。
 
 
(投稿 Mさんありがとうございます)
       【 大日堂の仏像調査  ①大日如来 】
2月15日(水)、大日堂の仏像調査をおこないました。
これは、自治区等の公的行事ではなく、私Mの個人的な道楽です
今回は公的機関の調査員でもある専門家Y氏にも来ていただきました。
既に、昨年から画像で打合せを重ねているので、さっさっと終わるとタカをくくっていたのですが・・・
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まず大日如来です。
一見して江戸時代の像であり、史料でも1600年(関ケ原の合戦の年)造仏とされています。
ところが、像の構造をよくみると、それより古そうだということがわかりました。
その理由は、頭・腰・腕(肘まで)が一体(一木造り)になっているからです。
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前回修復時の記録写真をみるとさらにハッキリします。頭・胴・腰・腕が一体になっています。
実はこのつくり方は平安時代までのもので、それ以後はもっぱら腰・胴体・腕などを別々につくる寄木造りになります。
中央(京都)と田舎のタイムラグを考慮しても、鎌倉初期までのお生まれか!?
いずれにしろ、室町~江戸時代にはありえへん構造の仏さまのようです。
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以前から、大日如来にしては宝冠が軽量級なので気になっていたのですが、聞いてみるとこれは観音菩薩などの菩薩用のものだそうです。
まっ、お父さんが息子の帽子を被ったようなものです。
どこかで安いものを入手して被せたか?
反則だねと言ったら、仏像を調査しているとたまにある、まあ大目に見なさいとのことでした。
ちなみにこれは江戸時代の作。
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両肩にかかっている紫の布は天衣(てんね)と言います。
実は大日如来は向かって右の肩だけにかけるのですが、これは両肩になっており、これまた菩薩のつくり。
反則。ただし、よそでも稀にはあるとのこと。
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その他にも目(玉眼)をはじめ色々報告したいことがありますが、またの機会にします。
とりあえず全体を通じての結論だけを簡単にまとめますと、以下のようになります。
①平安時代か鎌倉初期につくられた可能性がある。
②大日如来としてつくられた可能性と、当初は観音菩薩としてつくられ、その後大日如来に改造された可能性がある。
③削った跡(多分修理跡)が多々ある。顔は本来、もっとふっくらしていたと思われる。
④反則箇所がいくつかあるが、とりあえずご愛敬。
さて、調査を通じて、よくもまあ現代まで守り伝えてきたものだ・・・という感慨に改めてとらわれました。
費用もたくさんかかったと思いますが、お金の無い人はそれなりに、お金のある人は一肌脱いで多額の負担をしたのではないかと思います。
勝ち組負け組・能力主義・自己責任・格差社会・・・などのコトバが氾濫する現代から見ると、こんなふうにして地域のためにお金を出しあうような社会は、なかなか新鮮に感じられますが・・・
 
 
(投稿 Mさんありがとうございます)
日, 12 2月 2017 00:00

雪が降りました

2月10日、11日と雪が降りました

12日はよく晴れました

 

田んぼも真っ白です

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ウサギの足跡がありました

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串原方面に向かう出合大橋の工事も進んでいます

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横から見ると巨大な要塞のようです

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天気の良い一日でした

土, 14 1月 2017 16:58

1月の押山めぐり

山里・押山の冬

寒そうな景色なのに、心あたたまる押山の冬

Iさん 写真提供ありがとうございます

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土, 07 1月 2017 16:41

登津羅~瀧澤の石仏

 
                             【 登津羅~瀧澤の石仏 】
12月、登津羅の山林境界確認(杭入れ)のさい、登津羅と瀧澤の
峠に5体の石仏があると知りました。
雪が降る前に撮影しておきたいと思い、1月7日の正午からえっさほいさ
り。
この五人組です。木漏れ日のため撮影はたいへんたいへん 「(´へ`;
そこで日が傾くのを待っていたら、今度は一気に暗くなって全然だめ。
でも時間をかけて見ていたら、なかなか楽しかったのです。
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まずいちばん右の観音さま。頭の形状や三界万霊の彫刻などから推定すると、
馬頭観音ではなく聖観音か?
宝暦11年(1761年)と彫られており、実は石神の馬頭観音と同じ
年の造立です。なにか事情があったのでしょうか?  「(゚ペ)
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なお、宝暦~寛政(1700年代後半)ころの石仏は優れたものが多い
のですが、この像についても顔の表情など品があってよいと思います。
なお左胸の前にある丸いものは、風雨で摩耗していますが、蓮のつぼみです。
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右から2番目はお地蔵さま。
頭に鳥の落としものがついています。なんだか、絵文字の汗( ^_^; )みた
いでナイスです。
なお、お地蔵さまも丸いものを持っていますが、こちらは蓮ではなく宝珠という
魔法の珠です。
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真ん中のは妻之神(さいのかみ)
村の境などに祀られ、悪霊や病気の侵入を防ぐのが役目でしたが、近世に
は交通安全・子孫繁栄などオールマイティになっていったようです。
なお、妻の字の上方向のスキマが大きいのと、神の字の右の縦棒がにょろん
と曲がっているのが気になりますが、
 『 ありゃ、もっと上の方から彫らなくてはいけなかったな・・・全体に下の方
   へ寄ってしまったぞ。これじゃ神の文字が小さくなりすぎちゃうか・・・
   ええい!これでどうだ!? 』 
なんてドラマがあったかどうか? 
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右から4番目の観音さま。頭の形状からこれは馬頭観音か?
天保15年(1844年)造立 
像の見応えでは、最初に紹介した宝暦の像に及ばないかと・・(ごめん)
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いちばん左の小ぶりな仏像。馬頭観音か?
思わず、 『 おまえさん、小まいねえ~ 』 と声をかけました。
実は ❝この世界の片隅に❞ の周作さんの 『 すずさんは、小まいのう 』
というセリフがふと浮かんだので・・・・
この映画、昨年11月に2回も見てしまいました。
私事ですいませんが。 ヾ(_ _。)
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 (投稿 Mさんありがとうございます)
 
 
 
月, 02 1月 2017 16:33

2017年 お正月風景

2017年 押山のお正月風景

すがすがしい景色です

今年もよい年になりますように!

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Iさん 写真提供ありがとうございます

日, 25 12月 2016 00:00

登津羅の山林の境界確認

      【 登津羅の山林の境界確認 】

12月17日(土)、本年度5回目の山林境界確認(杭入れ)がありました。
場所は登津羅。本年度はこれでおしまいです。
ぱぱっと済まそうぜ・・・なんて言ってたら、なんのなんの、またもや延長戦。

森林組合Aさん『いよいよ今日が最終回ですが、悲しいお知らせがあります。』
参加者    『えっ、なになに?』
森林組合Aさん『実は財産区議長のMさんが、HPにヘンな投稿ばかりするので
上司からめっちゃ怒られました。お前ら山で遊んでるんだろうって。
だもんで、今日はリーダーを外されました。』
参加者    『うわあ・・・かわいそう。で、代わりのリーダーは?』

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本日のリーダー 『オレがリーダーだ! ビシビシやるから覚悟しな!』
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本日のリーダー 『おらおら、遅いじゃねーか。ボヤボヤしてると熊の昼飯になるぞ!』 
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森林組合Aさん 『このあたりで林相が変化していますね。』
本日のリーダー 『うむ、誰か杭を打て。グズグズするな、はやくしろ!』 
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本日のリーダー 『杭が曲がっている! まっすぐ打たんか!』
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森林組合Bさん 『ヤロー、調子こきやがって・・・しばいてやりますか?』
森林組合Aさん 『まあまあ こらえてこらえて 穏便にね』
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本日のリーダー 『おーい、お前ら何をごちゃごちゃ言ってるんだ。これを見てみろ・・・』
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本日のリーダー 『これ、先週探したバルタン星人のフンでねーの?』
参加者     『・・・・・鹿だと思いますが・・・・』
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 (投稿 Mさんありがとうございます)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
        【おんたけさまの雲海 12/24】
一昨日夜は雨、今朝は晴天で3℃。
こりゃ出るかな?と思っていたらやっぱり
出ました。
雲の量は大したことなく、範囲も大船山から串原方面と限られて
ましたが、
冬の
澄み渡った大気に浮かぶ雲は見ていて
飽きませんでした。
 
大船山方面①
7時半ころ。高い山は白くなっていていい感じ。
右上に頭上の枯れ枝が入っちゃいましたが、どうでしょうか?
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大船山方面②
右上に風車が見えますが・・・
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大船山方面③
モスラの幼虫みたいな雲がズルズルと移動してきて風車を隠しました。
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御嶽山方面
中央やや左の奥に木曽御嶽山の山頂がチラッと見えます。
それはともかく、さっきの右上の雲、やっぱりモスラの幼虫に見えますが・・・ 
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上矢作方面①
雲はたっぷり。左下の虹が以前よりも目立ちます。
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上矢作方面②
日が射してくると激しく沸き返ります。
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上矢作方面③
やがて雲海はボロボロに。切れ目ができて町の姿が・・・
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上矢作方面④
雲海の残骸。時刻は9時ころ。帰るべ。
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(投稿 Mさんありがとうございます)

     市長さんも感動!?おんたけさまの雲海
 
12月5日にお知らせしたように、押山頂上(おんたけさま・峰山砦)の
雲海が、
『とよた推しスポットコンテスト』で入賞しました。\(^o^)/
 
 
17日、今回応募されたU
さんが豊田スタジアムでの表彰
出席し、
立派な賞状をいただいてこられました。これです。 ↓
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ちなみに大賞1人、優秀賞8人、入選10人でしたが、今回は優秀賞です。
すごいすごい w(*゜o゜*)w
応募写真は前回紹介しましたが、今回、他の受賞作品も含め再度
紹介
します。
皆さん、さすがにレベル高いですね。
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(投稿 Mさんありがとうございます)

土, 10 12月 2016 00:00

空畑の山林の境界確認

         【空畑の山林の境界確認】
                                          
12月1
0日(水)、本年度第4回目の山林境界確認(杭入れ)がありました。
場所は空畑ですが、さぶいさぶい・・・ {{(>-<)}}
 
森林組合 『今回はそこそこ参加者がいますね』
参加者   『前回、山でUFOが出たそうなので・・・見に来ました!
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森林組合 『残念ですが、寒くなったのでUFOは南の国へ行ってしまいました。
         あっちの方角です。
  
参加者   『なんだつまらん・・・』  『渡り鳥かよ(;^ω^』 
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森林組合 『でも市役所森林課M氏の情報では、このあたりにバルタン星人の
         一家がまだ残っているそうです。見に行きましょう!』 
参加者A  『バルタン星人ってこういう恰好のやつか? (V)o¥o(V)』 
参加者B  『 ・・・あのぉ、市役所森林課って何やってるとこですか?』 
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森林組合 『バルタン星人は狂暴なので、襲われないように気をつけてください!
参加者A  『 大丈夫。きょうは、勇敢なド―ベルマンを護衛に連れて来たもんね。』  
参加者B  『・・・・ド―ベルマンって、こんなんだっけ ?』
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参加者   『あっ、あそこに何かいる!』   
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森林組合 『おお!これはバルタン星人の抜け殻ですね~』 
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森林組合 『見てください!脱皮したバルタン星人が南へ飛んでいきます!』
参加者   『春になったら、また戻ってこいよ~』
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(投稿 Mさんありがとうございます)